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2019年05月04日(土)

話題の「#東寺展」、さて当館では…

今日の飯森山公園。青空に鳥海山と八重桜が美しい!今日の飯森山公園。青空に鳥海山と八重桜が美しい!

こんにちは、スタッフKです。


10連休も後半へ。令和フィーバーたけなわですが、あなたは、どこでどう過ごしましたか?私は、ここで連日多くのお客様をお迎えしています。この特別な節目に土門拳記念館にお越しの皆様、ありがどの~。公園の八重桜も今が真っ盛りです。


さて、上野のトーハク(東京国立博物館)では現在、特別展「国宝東寺―空海と仏像曼荼羅」が開催され、ずいぶん人気のようですね(62日まで)。土門拳も東寺を1940年、1943年頃、196465年とたびたび訪れ、多くの作品を残しています。寺の佇まい、数多くの仏像、絵画、書、仏具と土門拳にとって東寺はまさに宝の山!撮りたいものが山ほどあったでしょう。これらの作品は、昭和401965)写真集「大師のみてら 東寺」として東寺文化財保存会から発刊されています。


当館でも、土門が東寺を撮影した作品を数多く収蔵しています。平安初期から変わらない広い境内に建つ建築群、仏像界きっての(?)イケメン仏像と名高い帝釈天や梵天像、迫力の不動明王や持国天、肖像画や曼荼羅を描いた絵、書「風信帖」、土門先生が最も気に入ったという観智院の簀子縁(そして、その廊下に打たれてある和釘)、唐時代から伝わる楽器や靴などの密教法具、などなど。こだわりの眼で捉えた作品が残されています。が、今はその中から、1点だけ「東寺講堂内陣諸仏」を展示しています。たった1点ですが、荘厳な立体曼荼羅の世界が、写真から静かに立ち上がるよう。写真の中にある時空に吸い込まれそうな気がします。


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2019/05/04 09:42 | 最近のあれこれ | コメント(0)

2019年01月09日(水)

酒田、人生の重なりが街をつくっている

1月から当館では「室生寺」ほかを展示中です1月から当館では「室生寺」ほかを展示中です

こんにちは、スタッフKです。今年はどんな年越しでしたか?


私はこの年末年始はゆっくり本を読み、映画も見ることができました。映画は渡辺智史監督「YUKIGUNI」。そして本は講談社文庫、岡田芳郎著「世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか」。映画は昨年から上映中だし、本も2008年に出版されているので、えー、今なの?遅れてる…と思われたかもしれませんが、出会うタイミングというか、ご縁が今私に巡ってきたという感じです。


先月、レストラン「ル・ポットフー」で忘年会をした際に、たまたまこの文庫本(201811月第2刷発行)を見つけて、「単行本は読まないでしまったから、この機会に」と手に取りました。これは本のタイトル通り、世界一の映画館「グリーン・ハウス」と日本一のフランス料理店「ル・ポットフー」を酒田に作った、佐藤久一氏の生涯をたどるノンフィクションです。


土門拳も酒田に来ると必ず佐藤久一さんのいる「欅」や「ル・ポットフー」を訪れ、彼のフランス料理を食べたといいます。そして、今もル・ポットフー店内には、1975年の開店当時土門拳が贈ったというピカソのデッサンが飾られているのです。


昭和59年頃、初代館長の三木淳先生に連れられて初めてル・ポットフーに行った田舎娘の私は、佐藤氏が一皿一皿紹介してくれる、それまでお目にかかったことも無い料理(ガサエビのスープやパイシチューなど。メニュー上はもちろんもっとかっこいい名前だった)の美味しさにびっくり。この本を読んで、佐藤久一氏やマダム鈴木新菜さんの醸し出す、店の大人の品格・雰囲気に圧倒され憧れたあの時の胸の高まりが、鮮明に懐かしく蘇りました。


また、映画「YUKIGUNI」はケルンの92歳現役バーテンダー井山計一さんのドキュメンタリー。具体的な映画の紹介はここでは控えるとして、別のドキュメンタリー映画「世界一と言われた映画館」ともあわせて、井山計一さんや佐藤久一さんはもちろん、その他にも重なり合ういろんな人生に思いを馳せ、その重みがジワリと心に響いてきたのでした。酒田ってこんな街だったんだ、人生と出会いが街をつくっているんだ。

本や映画によって、忘れかけていた大切な宝物が蘇ってきた気持ちです。この魅力的な酒田にあった(いや今も生きている)粋な文化に宿る思いを、当館でも受け継いでいくのだ、という気持ちを新たにした2019年の幕開けでした。

※上記2本の映画は、今月から東京ほかでも上映されています。ぜひ、ご覧ください。

 


2019/01/09 12:23 | 最近のあれこれ | コメント(0)

2018年10月23日(火)

お会いできて感激!!潮田&島尾夫妻と、白籏史朗先生

拳湖で遊ぶ渡りのカモ拳湖で遊ぶ渡りのカモ

こんにちは、スタッフKです。今朝は空を行く白鳥の声で目が覚めました。鳥海山は初冠雪。落ち葉舞う飯森山公園には赤とんぼがいっぱい飛んで、秋の深まりを感じます。


今月は、相次いで著名な写真家の方々にお会いする貴重な機会をいただきました。

まず、当館では現在第37回土門拳賞を受賞した潮田登久子さんの作品「本の景色BIBLIOTHECA」を展示中(1224日まで)ですが、13日にギャラリートークのため、潮田さんと旦那様の島尾伸三さんがご一緒に酒田にいらしてくださいました。話を聞いて思ったのは、本や人の運命、出会いの不思議さです。1枚の写真を前に「この本はどういう時空を経てここに辿り着いたのだろう」とつくづく想像させられます。それは、土門拳「古寺巡礼」の仏像写真を前に「この仏様は長い歴史の中どういう人々の祈りを聞いてここにいるのだろう」と想像するのと似たような気持ちです。お二人とお会いして直にお話しできましたこと、とてもうれしかったです。


そして22日、山岳写真界のレジェンド的な存在、白籏史朗氏がいらしてくださいました。「昔、土門拳さんとも何度もお会いしましたよ」と柔和に話される一方で、山の撮影の話になると目がギラっと光り、数多くの山々で厳しい撮影をされただろう姿が彷彿します。土門拳が生涯待って待ってついに撮った「雪の室生寺」の話をしたところ、やはり白籏先生も、どうしても撮りたい写真は山の変化を待って待って「最後には撮れる」と。つくづく、気迫が作品を生む、人知を超えた何かが味方する、そういうものなんだと感じました。

今、鳥海山は紅葉真っ盛り。白籏先生と共に撮影旅行に訪れた皆様も、どうもありがとうございました。ぜひまた、いらしてくださいね。


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2018/10/23 15:58 | 最近のあれこれ | コメント(0)

2018年09月08日(土)

土門拳もたくさん撮った、今話題の藤田嗣治!

復刻版「猫と女とモンパルナス」(株)オクターブ復刻版「猫と女とモンパルナス」(株)オクターブ

こんにちは、スタッフKです。この一か月、ブログはご無沙汰でしたが、その間、猛暑、豪雨、台風…と日本中次々に怖い酷いことが続き、もうそろそろ勘弁して、という時に北海道の大地震。各地で大変な思いをされた方々に心からお見舞い申し上げます。少しでも穏やかな日々が早く戻りますよう願うばかりです。こんな大変な時に文化芸術なんて…と思われるかもしれません。でも、ほんのちょっぴり落ち着いたら、余裕が無い時こそ、身近に少しほっとできる時間・空間があり、それが「土門拳記念館」だったらいいな、という気持ちで日々皆様をお待ちしております。


さて、最近の話題と言えば、藤田嗣治です。当館での土門拳写真展「藤田嗣治 日本での日々」はすでに7月で終わってしまいましたが、今、東京都美術館(~10月8日まで)の大規模な展覧会「没後50年 藤田嗣治展」をはじめ、他にも企画展や新聞雑誌、またテレビ(先日の「ぶらぶら美術・博物館」や明日の「日曜美術館」など)でも大きく取り上げられ、新たな出版も相次いでいます。フジタの絵画はもちろん、手作りの額や小物など、魅力たっぷりですね~。私も大好きです。

土門拳の写真が数多く載っている藤田嗣治の本に、昭和43年にノーベル書房から発刊された「猫と女とモンパルナス」がありますが、長く絶版だったこの本が、このたび緊急復刻出版されました!!(「猫と女とモンパルナス」 定価5,000+税 ㈱オクターブ」)

土門は後に「パリの藤田も撮っておきたかった」と言っていますが、実際撮ったのは昭和16年頃から24年までの日本での姿です。年譜を見ると土門は若き30代、23歳年上の藤田はすでに熟年。「君には手法を盗まれる心配がないからな」と平然とアトリエや日常の細部まで撮影を許したという藤田。土門の写真には、絵画とはまた違った、生きた人間「藤田嗣治」の魅力(魔力?)が写っています。また、藤田作品の特徴の一つである「乳白色の秘密」が土門の写真にはっきりと写っていた「あるもの」で明らかになったことも、有名な話です。


 藤田展は、東京の次は京都国立近代美術館(1019日~1216日)に巡回です。私も、東京か京都、どっちか絶対見よう!というのが、この秋の楽しみです。


2018/09/08 11:51 | 最近のあれこれ | コメント(1)

2018年08月02日(木)

猛暑の夏。土門の「ヒロシマ」で《感じない罪》について考える

祈りの古代ハス。今年3個目の蕾が、明朝は咲くかな?祈りの古代ハス。今年3個目の蕾が、明朝は咲くかな?

こんにちは、スタッフKです。


「あっちぇの~(庄内弁で暑いですね)」が挨拶となって、かなりたちました。いったいいつになったら雨が降るんでしょう。当館日誌によれば、712日〈曇り時々雨〉でちょっと降って以来、酒田に雨は全然降っていません。中尊寺から株分けしていただいた古代ハスの花も鉢への水やりが大変。当館の庭「流れ」の笹や木も、入口付近の芝も、もう悲鳴を上げています。猛暑と言っても酒田は他地域よりはまし。でも「少しは雨降ってよ~、但し豪雨はやめてね」と、天に祈っている今日この頃です。


さて、当館では現在、土門拳二大ドキュメント「筑豊のこどもたち」と「生きているヒロシマ」を展示中です(101日まで)。土門は昭和32年、そしてさらに10年後の昭和43年に「ヒロシマ」を撮影し発表しました。原爆投下12年後に初めて広島の地を踏んだ土門の言葉があります。


「ぼくは、広島に行って、驚いた。これはいけない、と狼狽した。ぼくなどは『ヒロシマ』を忘れていたというより、実ははじめから何も知ってはいなかったのだ。今日もなお、『ヒロシマ』は生きていた。それをぼくたちは知らなすぎた。いや正確には、知らされなさすぎたのである。」1958年研光社刊「ヒロシマ」はじめに (部分抜粋)

作品の中には正視が苦しい写真もあります。しかし、見なければいけない、感じなければいけない、死んだ人生きる人の現実・思いを想像しなければいけない、と自分の尻を叩きます。戦後73年たった現在も「ヒロシマ」は続いています。そして、広島だけではなく、長崎も、福島も、沖縄も、さらに……。私たちは「知らない」「感じない」罪をもっと自覚すべきだと、土門の写真を見て、考えさせられるのです。


2018/08/02 14:58 | 最近のあれこれ | コメント(2)

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