飯森山公園も秋色ですこんにちは、スタッフKです。
今月発売されたカーサブルータス11月号(マガジンハウス)で日本の美術館ベスト100が掲載されている中に、土門拳記念館も選んでいただきました。ありがとうございます!開館して37年。その間にも全国津々浦々に続々と素敵な美術館が開館し、現在千を超える日本の美術館の中でのランキング入りというのは、ホントうれしいことです。
手前味噌ですが、本当にここは毎日飽きることなく、ああーいいなと感じられる空間です。
まず、自然豊かな飯森山公園の水に浮かぶようにして立つ外観。土門拳の強さ大きさを表わすかのような大壁に沿って歩みを進め、玄関の重厚な扉を開けると、エントランスでは亀倉雄策デザインの「土門拳記念館」の銘板が出迎えてくれます。中に入ると少し照明を落とした廊下。そしてその先に、展示室が。外光が一切入らない企画展示室Ⅰと主要展示室に、迫力の土門作品が展示されています。
そして、その先に続く廊下。この廊下がまたいいんですよ。今まで光が入らない展示室で、土門拳作品とじっくり向き合ったあとで、光がだんだん幅広く入ってくる廊下で心が解放されていく。廊下越しに、水が流れる中庭のイサムノグチ彫刻「土門さん」や、年譜を見ながら進むと、池「拳湖」が広がる記念室へ。ここから見える四季折々の鳥海山や公園の景色に大きく深呼吸。
そして、もう一つ奥に進むと、企画展示室Ⅱでもう一つ土門作品を。大窓から見える、勅使河原蒼風作「流れ」と名がつけられた枯山水の庭が、作品鑑賞の余韻を優しく深く包んでくれます。
この建築のストーリーと土門拳作品、そして周囲の風景が調和している空間は、まさに財産と思います。
現在、土門拳記念館は2021年2月4日まで、修繕工事のために臨時休館中です。窓枠サッシ、ガラス、天井、床、壁など、経年劣化がひどくなってきた箇所が改修され、美しくよみがえる予定です。長い休館でご迷惑をおかけしますが、春になって、きれいになった土門拳記念館にいらしていただける日を心からお待ち申しあげます。